頭のなめた六角ボルトでお困りではありませんか?六角レンチを使っても回らず、外せないと悩んでいる方は多いでしょう。
しかしご安心ください。本記事を読めば、頭のなめた六角ボルトを確実に外す方法がわかり、これまでのストレスから解放されます。
その理由は、初心者でもできる具体的な手順と、状況別の対処法をまとめ、専用工具の選び方まで徹底解説するからです。
この記事では、実践的なテクニックを紹介しますので、あなたもすぐに頭のなめた六角ボルトを確実に外せるようになります。
目次
なぜ六角ボルトの頭は「なめる」のか?原因を徹底解剖
頭が「なめる」という状態は、六角ボルトの頭の角が削れて、工具が空回りして六角ボルトを締めたり緩めたりできなくなる状態を指します。
この状態を「頭がなめる、頭がなめた」と表現します。
六角の頭がなめてしまうと、作業が中断するだけでなく、最悪の場合は部品の取り外しができなくなるなど、深刻なトラブルに発展することもあります。
なぜ起こる?六角ボルトがなめる主な4つの原因
・不適切な工具の使用: サイズ違い(ミリとインチの混同)、摩耗した工具の使用、精度が低い安価な工具を使用することにより、角にしっかり力がかからず、なめてしまいます。最も発生しやすい原因です。
・工具の「斜めがけ」:六角ボルトの頭にに対して工具が真っ直ぐ入っておらず、角に力が集中して六角の角が丸くなる。
・締め付けすぎ(過剰トルク):必要以上に強く締めたため、ボルトやナットに無理な負荷がかかり六角の角が丸くなる。
・サビや劣化:長年使われたボルトは、サビや腐食で強度が落ちています。固着していることも多く、無理に力をかけると、なめやすくなります。
六角ボルトがなめる原因を理解することで、適切な予防策を選択出来るようになります。
六角ボルトの頭をなめさせないための予防策
六角ボルトをなめさせないためには、以下の点を常に意識して作業することが重要です。
・サイズの合った工具を選ぶ:六角ボルトの頭のサイズにピッタリ合う、精度の高いメガネレンチやソケットレンチを使用しましょう。
・「まっすぐ、奥まで」を徹底する: 工具は必ず六角ボルトに対して垂直に、根元までしっかり差し込みます。
・一気に締付けを行わない: 体重をかけて一気に回すのではなく、腕の力で「じわっ」と力を加えていくのがコツです。
・固着している場合は下準備を: 錆びている六角ボルトには、作業前に浸透潤滑剤をスプレーしてしばらく放置しましょう。
六角ボルトの工具については、こちらの記事で紹介しています。
固着したボルトの外し方と、おすすめの潤滑剤はこちらの記事で紹介しています。
なめた六角ボルトを外す前の必須チェックリスト
まずは、六角ボルトの頭のなめり具合と、どこに使用されているボルトかを確認します。
・軽度:六角ボルトの角が2つなめている状態
・中度:六角ボルトの角が4つなめている状態
・重度:六角ボルトの角が完全に潰れている状態
・狭い場所や奥まっている場所か?工具の選択に影響があります
頭のなめた六角ボルトの外し方
頭がなめた六角ボルトの状態が分かれば、対処方法が分かります。
ボルトの状態や状況に応じた外し方を具体的に解説します。
軽度、中度の場合
- バイスプライヤーを使用する:なめた六角ボルトの頭を挟んで緩めていきます。作業出来るスペースがあるか、確認してください。
- ナットツイスターを使用する:なめたボルトに食い込む特殊な螺旋状の溝が切ってあり、回す方向に力がかかるほど強く噛みつきます。
重度の場合
- 六角ボルト頭に溝を切り、マイナスドライバーで回す:六角ボルトの頭の部分に、グラインダーで溝を作ります。その溝にマイナスドライバーを押し当てて緩め方向に回していきます。
- タガネで叩いて緩める:六角ボルトのなめた角にタガネを当て、ハンマーで緩む方向に少しずつ叩いて衝撃を与えて緩めていきます。
どうしても外れない時の最終手段
- エキストラクターを打ち込む:六角ボルトの頭をドリルで削り取ります。ねじ部のみの状態ににして、穴を開けてエキストラクターを打ち込んでボルトを外します。
- 溶接:なめたボルトの頭に別のナットを溶接し、そのナットを回して外すという方法もあります。溶接機などの準備が必要なため、難易度は高めです。
ケース別:こんな時はどうする?
六角「穴」付きボルト(キャップボルト)がなめた場合:六角穴付きボルトは、六角ボルトとは別物のボルトになります。
六角穴付きボルトの六角穴がなめた場合は、こちらの記事を参考にしてください。
六角ボルトが空回りするだけで抜けてこない場合:これは相手材のメネジ側が破損している状態。この状態になると、六角ボルトをペンチなどで引っ張ってボルトを外します。
まとめ|頭のなめた六角ボルトは必ず外せる
「頭がなめた六角ボルト」という厄介な問題は、多くの方が経験する作業の壁です。しかし、本記事を最後までお読みいただいたあなたは、もうその壁に立ち往生することはありません。
この記事では、頭のなめた六角ボルトの原因から予防策、さらには軽度から重度、そして特殊なケースに至るまで、あらゆる状況に対応できる具体的な解決策を徹底的に解説しました。
この記事を通して、あなたは以下の重要な知識とスキルを習得しました。
- なめる原因の深い理解:不適切な工具の使用、工具の斜めがけ、過剰なトルク、サビや劣化など、ボルトがなめる主な理由を把握し、対策を講じられるようになりました。
- 効果的な予防策の実践:サイズの合った工具を「まっすぐ、奥まで」差し込み、「じわっと」力を加えること、そして固着防止のための下準備の重要性を学びました。
- なめり具合に応じた対処法:軽度・中度ならバイスプライヤーやナットツイスター、重度なら溝切りやタガネ、そして最終手段のエキストラクターや溶接といった、段階的な解決策を知ることができました。
- 特殊なボルトトラブルへの対応:六角穴付きボルトがなめた場合や、ボルトが空回りするケースへの具体的なアプローチも身につけました。
もう、頭のなめた六角ボルトの前で途方に暮れる必要はありません。あなたは、この問題に自信を持って立ち向かい、解決できるだけの知識と実践的なテクニックを兼ね備えました。
次に六角ボルトのトラブルに直面した際は、ぜひこの記事を参考に、落ち着いて一つずつ試してみてください。あなたの手で問題を解決し、作業をスムーズに進められるはずです。
コメント