折れたボルトを安全に外す方法:初心者向けガイド

ツール

折れたボルトを外す作業は、DIYやメンテナンスの中でも特に厄介な問題の一つです。


ボルトが折れてしまうと、作業が中断されるだけでなく、場合によっては大きな修理費用がかかることもあります。


しかし、適切な方法とツールを使えば、初心者でもこの問題を解決することが可能です。


本記事では、折れたボルトを安全かつ効率的に外すためのステップバイステップのガイドを提供し、筆者が実際に使用しているおすすめのドリルも紹介します。


こちらのドリルを使用するようになって、ドリルの破損が無くなり、ボルトの取り外しが確実に出来るようになりました。


おすすめのドリルは、オーエスジーのハードドリルEX-H-DRLになります。


ドリルの他に必要な道具の選び方から、実際の作業手順、そして注意すべきポイントまで、詳しく解説します。


特に、初めてこの作業に挑戦する方に向けて、失敗しないためのコツや、作業をスムーズに進めるためのヒントも紹介します。


この記事を読むことで、折れたボルトの取り外しに対する不安を解消し、自信を持って作業に取り組むことができるでしょう。


さあ、一緒にこの問題を解決し、DIYスキルを一段と向上させましょう!

ボルトが折れる原因を理解しよう

ボルトが折れる原因は、さまざまな要因が複雑に絡み合うことが多いですが、主に以下のような理由が挙げられます。


それぞれの原因を理解することで、適切な対策を講じることが可能です。

過剰な締め付けによるボルトの破断

ボルトを規定以上のトルクで締め付けると、ボルトに過剰な応力がかかり、破断する可能性があります。


筆者はM10くらいのボルトの締め付けで、しっかり体重をかけて締め付けしたらボルトを破断させてしまった経験があります。


ボルトのサイズによっては、体重をかけて締め付けすると破断する可能性は大いにあります。


対策は、適切なトルクで締める: トルクレンチを使用して、規定のトルクで締め付けることが重要です。締め付けすぎも緩すぎも良くありません。

疲労破壊

ボルトが繰り返し荷重を受けると、微細な亀裂が蓄積し、最終的に破断に至ります。

特に振動や周期的な応力が加わる環境では疲労破壊が起こりやすくなります。


対策1つ目は、高強度のボルトを使用する
: 繰り返し荷重に強い材質のボルトを選びましょう。

対策2つ目は、緩み止めナットを使用する: 振動などでボルトが緩むのを防ぎます。

外部衝撃や過負荷

ボルトが設計以上の荷重や衝撃を受けると、破断することがあります。


ボルトがせん断荷重を受けて破断したものは、断面がけっこう平らだったりします。


引張荷重を受けて破断したものは、断面がざらついているような感じになります。


対策は、高強度のボルトを使用する: ボルトの材料を強度の高いものに変更することで、外部衝撃や過負荷に耐えることができます。

折れたボルトを外すための準備物

これから折れたボルトを外すために必要な道具を紹介します。

センターポンチ

センターポンチは金属に軽いくぼみをつけて穴の中心をマークし、ドリルの刃が逃げないように誘導するための位置決めをするために使用します。


電動ドリル

筆者はマキタのTD173DZBを使用しています

ドリルチャック

ドリルチャックは、ドリルを固定するために使用します。


電動ドリルは六角軸になってます。そこにストレートシャンクのドリルを取付するために使用します。


ハードドリル

オーエスジーのハードドリルEX-H-DRLです。


ボルト内で折損したタップ除去用のドリルですが、筆者は穴あけに使用しています。


メーカーに問い合わせてハードドリルでの穴あけは問題ないことを確認しています。


筆者は細いボルトでM6くらいの折れたボルトを外すことがありますが、このハードドリルを使用するとドリルが折れたり、刃先が逃げたりせずに穴あけすることが出来ます。


ドリルの形状はこのような形です。

エキストラクター

穴あけが終わるとエキストラクターを穴に打ち込んで折れたボルトを外していきます。

筆者は、丸型エキストラクター(逆タップ)と四角エキストラクターの2種類使用しています。


それぞれ用途が違います。

丸型エキストラクター(逆タップ)

丸型エキストラクターは、右ねじ(時計回りで締まるボルト)を外す場合のみに使用出来ます。


穴が開いているところに丸型エキストラクターをハンマーで叩き込んでいきます。


しっかり固定出来たら、反時計回りに丸型エキストラクターを回していくと折れたボルトも一緒に回って外れていきます。


丸型エキストラクターのかかりが悪いと、反時計回りに丸型エキストラクターを回した時に丸型エキストラクターが外れてしまいます。


角型エキストラクター

角型エキストラクターは、断面が四角になっていて、角が食い込んで折れたボルトを回していきます。


そのため右ねじ、左ねじどちらにも使用することが出来ます。


筆者はこちらの方が成功確率が高いので、メインで使用しております。

切削油

ドリルで穴あけする際に、使用します。


切削油は、金属の切削時に発生する摩擦熱や加工熱を効率よく冷却する冷却効果、


切断工具と材料との摩擦を減少させることで、加工中の抵抗を軽減する潤滑効果、


切削中に発生する切り粉や金属粉を洗い流す除去効果などの理由で切削油は使用します。

保護メガネ

ドリルで穴あけする際は、切り粉が飛んで目に入らないように保護メガネを使用してください。


安全第一です。

折れたボルトの外し方

ここから折れたボルトの取り外し方について解説していきます。

ボルトが手で回せるか確認

ボルトへ穴あけせずに、破断しているボルトの断面の凹凸にマイナスドライバー等を当ててボルトが外せるか試してみてください。


このような感じでボルトが緩むか確認


ボルトが外せない場合は、これから紹介する方法で試してみてください。

センターポンチで穴あけする場所の位置決めをします

ボルトの中心を狙って位置決めをしましょう。


基本は中心を狙いますが、多少ずれても挽回は出来ます。


下の写真は、筆者が実際に外したボルトの写真です。


芯がずれてますが、この状態でも外せました。




ハードドリルにてボルトへ穴をあけていきます

電動ドリルにドリルチャックを取り付けて、ハードドリルを固定します。


ポンチでつくったくぼみにドリルを当てて穴をあけていきます。


ボルトへ穴あけする下穴は、下記を参考にしてください。

丸型エキストラクター
適合ボルトサイズ下穴用ドリルサイズ
4~62.0
6~83.2
8~114.0
11~146.5
14~196.8
角型エキストラクター
適合ボルトサイズ下穴用ドリルサイズ
5~62.0
6~83.2
8~114.0
11~146.5
14~196.8



エキストラクターでボルトの取り外し

穴が開いたらエキストラクターを穴に差し込んでハンマーで叩いて、固定します。


この時、エキストラクターが自立して固定されている感じが無かったら、穴をさらに深くしていく必要があります。



ボルトが外れたらメネジの確認

無事にボルトが外れたら、メネジ側に損傷が無いか確認してください。


新しいボルトを取り付けてメネジが使用出来るか確認するのが確実です。



トラブルシューティング

エキストラクターがボルト内部で折損することがあります。


エキストラクターが折損する理由は、下記に記載するものがあります。

下穴の位置のズレ:エキストラクターを中心にしないと、不均等なテンションがかかり、折れやすくなります。特に、センターポンチで中心に穴を開けることが重要です。

過剰なトルク:エキストラクタを使用する際に、ボルトが固着している場合、必要以上のトルクをかけることがあります。これにより、エキストラクタが材質の限界を超えて折れてしまうことがあります。

不適切な下穴サイズ:下穴がエキストラクタのサイズに対して小さすぎると、エキストラクタが十分に噛み込めず、力が集中して折れる原因になります。逆に、大きすぎるとボルトが薄くなり、エキストラクタが滑ることがあります。

注意していても、エキストラクターが折れる場合はあります。その際は、ハードドリルを使用して折れ残ったエキストラクターごと穴を開けていきます。


ハードドリルで折れ残ったエキストラクターを除去出来たら、再度エキストラクターを使用してボルトを外していきます。

まとめ

折れたボルトを外す作業は、DIYやメンテナンスにおいて避けがたい問題ですが、正しい手順と道具を使うことで、初心者でも安全に解決できます。


まず、ボルトが折れる原因を理解し、過剰な締め付けや疲労破壊、外部衝撃に対する対策を講じることが重要です。

作業に必要な道具は、センターポンチ、電動ドリル、ハードドリル、エキストラクター、切削油、保護メガネになります。


これらを用いて、ボルトの外し方を段階的に実施します。具体的には、ボルトが手で回せるか確認し、センターポンチで穴あけ位置を決め、ハードドリルで穴をあけ、エキストラクターを使ってボルトを取り外します。

また、作業中にトラブルが発生した場合の対処法も重要です。下穴の位置やサイズ、トルクのかけ方に注意し、万が一エキストラクターが折れた場合は、ハードドリルで除去する方法を知っておくと安心です。


筆者は、折れたボルトを取り外す作業が得意ではありませんでした。


経験も少なく道具の選択が悪かったためドリルが折れたり、ドリルが曲がって穴があけられないなどで苦労していたために得意とは言えませんでした。


オーエスジーのハードドリルEX-H-DRLを使用しだしてからは、ドリルが折れたり、曲がって穴があかないということが無くなりました。

この記事を参考にすることで、折れたボルトの取り外しに対する不安を解消し、自信を持って作業に取り組むことができるでしょう。DIYスキルを向上させるために、ぜひ挑戦してみてください。

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