ベアリングやギヤを軸から外す方法が分からずに困った経験はありませんか?
頑張って引っ張ってもびくともせず、作業が進まないということになります。
しかし、この問題は解決できます。この記事を読めば、ベアリングやギヤを簡単に軸から外す方法をすぐに理解でき、作業効率が大幅に向上します。
その解決の鍵となるのが「プーラー」という工具。この工具を使えば、力をほとんど必要とせず、安全かつスムーズにシャフトから取り外したい対象物を取り外すことができます。
この記事では、プーラーの選び方や使い方のポイント、初心者でも失敗しない活用方法に至るまで、分かりやすく説明します。
悩みを一緒に解決して、作業効率を劇的に改善しましょう!
目次
プーラーとは?
プーラーは、自動車やバイク、船舶、各種機械に装着された歯車、ベアリング、プーリーなどを軸部から引き抜く専用工具です。
圧入や焼き付きで手では外せない部品を、安全に効率よく取り外すために用いられます。
用途に応じて爪の数・形状や駆動方式(手動・衝撃・油圧など)が異なる多様なタイプがあります。
ギヤプーラー
歯車やベルトプーリーの引き抜きに用いる基本工具。
2本爪・3本爪が主流で、爪を掛けて中央ネジを回して引き抜きます。
筆者は、KUKKO製のプーラーが使いやすく使用頻度が非常に高いです。プーラーでどれを買うか迷ったらこちらをおすすめします。
購入前には対象物のサイズは、しっかり確認してください。
ベアリングプーラー
ベアリングを外輪(外掛け)または内輪(内掛け)から引き抜くための工具。
対象のベアリングの取り付け状況に応じて外掛け・内掛け用を使い分けます。
筆者は、内輪に掛けてスライドハンマーでベアリングを外す形式の商品を、使用しています。
ハンマーをスライドさせて衝撃を与えます。付属アタッチメントを交換すると対応するベアリングの径が変えられます。
スライドハンマーで引き抜く際には、スライド部と取っ手の間で指を絶対に挟まないようにしてください。万が一、指を挟んでしまうと激痛が走りますので。
ショックスピードプーラー
中心ネジ部をハンマーで打撃することで強い衝撃力を利用し、錆付いた歯車やプーリーを容易に抜くタイプです。衝撃が周囲に伝わりにくい構造になっています。
油圧プーラー
油圧パワーを利用する大型プーラーです。油圧シリンダーを用い、高い引抜力で焼き付きや固着した大物部品を引き抜けます。
プーラーを使った引き抜き作業の方法
プーラーの使い方は難しいものではありません。いくつかのポイントを抑えて使用すると安全に使用できます。
1.引き抜く対象物のサイズの確認
引き抜く対象物の直径、幅、形状を確認し、それに合ったプーラーの種類やサイズを選びます。
対象より小さなプーラーでは爪が掛からず対象物を引き抜けず、大きすぎると爪の部分が軸部へ掛かり表面を傷めます。
2.プーラーを取り付け
プーラーを対象の軸中心に正しく取り付けます。爪先を歯車やプーリーなどの対象物に深く掛け、爪が浮かないよう確実に固定します。
プーラー本体が前後左右に傾かないよう、均等に取り付けることが重要です。
3.引き抜き作業
プーラーの先端(爪)を掛けたまま、中央のスタンドナットやボルトをレンチで回して締め込みます。このとき工具全体がブレないよう注意し、対象物をまっすぐ引き抜いていきます。
ネジを締めても外れない場合は、プーラーの爪がシャフトへ引っかかっていないか確認します。
爪が引き抜きたい対象物に引っ掛かっているかは、確認必須です。
常にまっすぐ引き抜けているか確認しながら作業していきます。
対象物が抜けたら、作業終了です。
使用時の注意点と安全対策
工具の状態確認:使用前にプーラー本体や爪に摩耗・変形・亀裂などがないか点検します。
適正サイズの使用:対象部品に合った大きさのプーラーを用います。サイズ不適合で使用すると、プーラーが外れて部品や工具を破損するほか、事故につながる可能性もあります。
取り付け位置:プーラーは必ず部品の軸中心に取り付け、斜め掛けにならないようにします。斜めの力がかかると、対象物がまっすぐ抜けずに、プーラーの爪がシャフトへ引っかかり破損しやすくなります。
回転動力の禁止:プーラーのネジを回す際は必ず手動工具を使い、電動・空圧工具は絶対に使用しないでください。
対象物はベアリングか:ベアリングの引抜には外輪用(軸上のベアリング向け)か内輪用(ケース内のベアリング向け)かを選びます。外輪用はボディごと大きさが変わるため、対象範囲に合うものを用意します。内輪用は交換用爪を揃えたセットがあり、複数サイズに対応可能です。
固着・錆付の有無:対象部品が錆や焼き付きで固着している場合は、衝撃型や油圧型のプーラーが有効です。衝撃プーラーはハンマー衝撃で抜くのに適し、油圧プーラーは油圧力で大きな抵抗を克服できます。
こちらの記事で、おすすめの潤滑剤を紹介しています。
まとめ
この記事では、固着したベアリングやギヤを安全に引き抜くための専用工具「プーラー」について解説しました。
適切なプーラーを使用すると簡単に対象物を外すことができます。
この記事に書いてあることを参考に作業すると、今まで手こずっていた作業も、「こんなに簡単だったのか」と感じるはずです。
この記事を参考に確認してぜひ、あなたのメンテナンス作業にお役立てください。
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