「え、動かない!?」機械整備やDIY作業中、錆びたナットを緩めようとしたとき、どうにもびくともしない瞬間って、想像以上にストレスですよね。
力を入れても、ナットが全く回らない…。そんな状況で作業が止まってしまうと、「どうすればいいの?」と頭を抱えるのも無理はありません。
でもご安心ください。この記事ではそのストレスから解放される解決法を詳しく紹介します。
固着したナットには、まずは潤滑剤を吹きかけて放置した後に、再度ナットを緩めてみてください。
この方法で緩まなければ、他の方法を試してください。この記事ではその他の方法も解説していきます。
ナットを傷つけることなく、そのまま再利用することが望ましいですが、ナットを割って外す工具も紹介します。
DIYの作業効率が一気に上がり、「こんなに簡単ならもっと早く試すべきだった!」と思うはずです。
さあ、この記事で固着したナットの悩みを解消し、スムーズなDIY作業を実現してください!
目次
ナットが固着する原因とは?
ナットが固着する原因は様々なものがあります。固着して緩まなくなる原因が分かると対策がたてられます。
【原因1】サビと腐食
水分や湿気により金属表面が酸化し、サビが発生します。ボルトとナットの接触面でサビが発生すると固着を引き起こします。特に屋外や高湿度環境で顕著です。
異なる金属間のガルバニック腐食も、腐食を促進し固着の原因となります。
【対策】防錆・潤滑剤の使用
ボルトとナットの接合部には、錆びにくくするための防錆剤や、取り外しをスムーズにするための潤滑剤(グリース、油など)を使用することが有効です。
あらかじめボルト表面の手入れを行い、サビや汚れを除去してから締結することが望ましいです。
【原因2】過度な締め付け
規定以上のトルクで締め付けると、ボルト・ナットのネジ山の接触面で摩擦熱が発生して、ねじ山が溶着することがあります。
特にステンレス製のボルト・ナットでは熱伝導率が低く、熱が局所的に集中しやすいため発生リスクが高くなります。
【対策】適正な締付けトルクの管理
締付け過ぎを避けるため、トルクレンチを使って適切なトルクで締め付ける。
【原因3】異物の混入や汚れ
油分、塵、砂などの異物がボルトとナットのねじ部に入り込むと、これらの物質が固着性を持ち、固着の原因となります。
【対策】定期的な点検・メンテナンス
エアブローやワイヤーブラシを使って汚れや異物を取り除きます。潤滑油やクリーナーを活用するとさらに異物除去に効果的です。
特に屋外や高湿度環境下での使用の場合、定期的に防錆処理をすることを推奨します。
【原因4】高温での使用
高温環境で金属が熱膨張し、冷却時に再び縮むことで金属同士が密着して固着する。
【対策】耐熱潤滑剤の使用
高温環境でも機能する潤滑剤を事前に塗布しておく。
固着したナットの外し方
ここからは分解作業中に、固着したナットに遭遇した場合の解決方法をまとめてます。
固着したナットには筆者はまず、潤滑剤を使用することをおすすめします。
この方法で外せなかったら、紹介する他の方法も組み合わせながら作業してください。
【外し方1】浸透性の高い潤滑剤を使用する
固着したナットには、まずは潤滑剤を使用してみてください。
ナットとボルトの接触部分に浸透潤滑剤をしっかりと吹きかけます。スプレータイプのものが効果的です。
潤滑剤がしっかり浸透するように、数分から10〜15分待ちます。特にサビがある場合は、しばらく時間を置くことで効果が増します。
その後、固着したナットを分解してください。
代表的なのは、呉工業株式会社の5−56シリーズがあります。こちらはコスパが良いです。

先程の呉工業の5−56シリーズと比較すると値段は高くなりますが、株式会社和光ケミカル(ワコーズ)のラスペネはおすすめです。

呉工業株式会社の凍結浸透ルブも使えます。

こちらの特徴は、凍結収縮してサビを割ることで、固着したネジやボルト・ナットをなめずに簡単に取り外すことができます。
潤滑剤だけでは緩まない場合は、サビを落とす
潤滑剤だけでナットが回らなかった場合は、サビをしっかり落として再度潤滑剤を使用してください。
ネジ山をワイヤーブラシで手入れしていきます。
こちらの記事内では、サビを落とすスプレーの、ネジザウルスリキッドを紹介しています。
【外し方2】ボルトナットへ衝撃を与える
ボルトの上面や、ナットの側面をハンマーで叩いて衝撃を与えます。
こうすることにより、潤滑剤が金属の隙間に入り込みやすくなります。
そして、固着したサビ部分を割っていくことにもつながります。
注意点は、過度に叩きすぎるとボルト、ナット自体を損傷する恐れがあるため、注意深く行ってください。
【外し方3】加熱する
この方法は、炎を使用するので使用する際は、使用出来る箇所は限られます。
火災防止のために、水を用意したり、延焼防止のため養生することが必要です。
バーナーやヒートガンでナットを温めます。高温になることで金属が熱膨張し、これを利用してナットを緩めていきます。
しっかり温めた後に、ナットを外していきます。
高火力で温めたい場合は、こちらの記事でおすすめのバーナーを紹介しています。
【最終手段】ナットスプリッターでナットを割ります
これは最終手段になります。
ナットスプリッターという工具を使用して、ナットを割ります。
ナットスプリッターを使用する際は、ナットのサイズにあったものを選定する必要があります。
ナットを割るため、同サイズの新品のナットが必要です。
ナットサイズに合わせた、工具とナットが必要なため、準備が大変になりますが、ナットを割って分解するので確実にナットは外せます。
まとめ
固着したナットには、まずは潤滑剤を吹きかけてください。
これだけでいいの?という疑問はあるかと思いますが、この一手間がけっこう重要です。
これを試した後でもダメな場合、ボルトナットへ衝撃を与えたり、加熱してみてください。
ここまでの方法で分解出来ると、ナットは流用することが可能です。
最終手段のナットスプリッターを使用する場合は、ナットを割ってしまうので、新品のナットが必要になります。
これらの方法を適切に組み合わせることで、固着したナットに悩む時間が大幅に短縮され、DIY作業の流れがスムーズになります。
ぜひ今回の記事を参考に、作業効率をアップさせてください!
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